HSPとは?
今回から、HSPについて
数回に分けてお伝えしていきますね。
周囲の小さな変化に気付きやすい。
些細な物音がとてもストレスに感じる。
人から「繊細だ」と言われることが多い。
そんな方はHSPである可能性が高いです。
今回は、そんな
HSPが一体どのようなものなのか?
お伝えしますね。
繊細な気質
HSPとは、
Highly Sensitive Person
(ハイリー・センシティブ・パーソン)
の略です。
これは、
周囲の人たちに比べて繊細な人
という意味。
90年代の初めから研究がスタートし、
人口の約20%の人が
このHSPに当てはまる
と言われています。
このHSPという気質を持つのは
人間だけではありません。
身近な動物である犬や猫、
鳥、魚、馬、霊長類など
100種類以上の動物に
HSPという気質を持つ者たちが居る
という研究結果があるんです。
HSPという気質を持っていると、
学校や社会生活の中で
生きづらさを感じることが多いでしょう。
しかし、このHSPという気質は
『生き残るための戦略』
であった、と言われています。
だからこそ、
人間だけでなく
様々な動物にその気質が見られるんです。
4つの特性
HSPは大きく4つの特性ごとに
分類することができます。
これら4つの特性は
頭文字をとって
『DOSE(ダズ)』
と言われています。
- Depth of processing
- Overstimulation
- Empathy and emotional responsiveness
- Sensitivity to subtleties
これらの頭文字をとって
DOSE(ダズ)
となります。
それでは、
一つ一つ詳しく見ていきましょう。
Depth of processing
この特性の特徴は、
考え方がとても複雑な人で、
深く思考してから行動に移すタイプ
ということです。
- 一を聞くだけで十のことを想像できる
- 調べものが好きで、知識の広さと深さに周囲が驚く
- お世辞をすぐに見抜く
- 物事を始める前に長く考え込んでしまいスタートが遅くなる
- その場限りの楽しみよりも、生き方や哲学的なことに興味がある
Overstimulation
周囲や環境の刺激に敏感で
疲れやすいのがこの特性の特徴です。
- 人混みや大きな音が苦手
- 友人との時間は楽しいが、家に帰ってくるとどっと疲れてしまう
- 映画や音楽などの芸術作品に感動して涙を流す
- 人からの些細な言葉に傷つき、長く引きずる
- 些細なことに対して過剰なほどに驚いてしまう
Empathy and emotional responsiveness
周囲の人たちの
気持ちや気分に左右されやすく、
共感しやすいのがこの特性の特徴。
- 人が怒られていると、自分のことのように感じて傷ついてしまう
- 悲しい映画や小説の登場人物に共感し、涙を流す
- 周囲の人の仕草や声などに敏感で、相手の機嫌や思っていることが分かってしまう
- 言葉を離せない幼児や動物の気持ちを察することが出来る
Sensitivity to subtleties
あらゆる感覚がとても鋭いのが
この特性の特徴です。
- 家電の機械音や時計の針の音が気になってしまう
- 強い光や日光のまぶしさが苦手
- 近くに居る人の体臭やタバコの匂いで気分が悪くなってしまう
- カフェインや食べ物の添加物に敏感に反応してしまう
- 洋服・肌着などのタグがチクチクと気になって我慢できない
- 第六感が鋭く、よく当たる
以上が、
DOSEの4つの特性の特徴になります。
これらに思い当たることが無くても、
生活の中に絶対に一人の時間が必要だ
と感じている人や、
子供の頃に親や先生に
繊細・敏感な子
と評価されやすかった人も
HSPの気質を持っている
と考えられます。
HSPの人は
これら4つの特性の何かしらを
1つずつ
もしくはそれ以上持っています。
この4つの特性の中で
1つでも当てはまらない特性がある人は、
HSPではない、という
判断がなされます。
HSPとは病気ではない
HSPの人が持つ
繊細さや敏感さは
生きづらさに繋がるものです。
しかし、
あくまでもHSPは気質であり
病気ではありません。
ただ、
他人以上に敏感であるために
様々なことがストレスとなってしまい
そのストレスから
うつ病などを発症してしまう可能性を
秘めています。
HSPの人も
眠れない、疲れやすい
気分が晴れない、自分に自信が持てない
と言うような
症状や気持ちになることがあります。
これらは、うつ病の人も抱えるモノ。
しかし、
HSPとうつ病の患者さんとの違いは
そこに
『自殺願望』
があるかどうか?です。
うつ病の患者さんは
この『自殺願望』を
抱いてしまうのですが、
HSPの気質の人には
その様な願望を抱く人は居ません。
自身がHSPという
繊細な気質を持っている
と自覚されている方の中には
うつ病を発症してしまっている
という方も居るでしょう。
うつ病は
心療内科などに通院し
治療が可能ですが、
HSPは気質なので
薬を飲んだり、治療をしたり
ということで
消えてなくなるものではありません。
HSPはマイナスではない
HSPの気質を持っている方は、
その敏感さや繊細さで
日々の生活に
生きづらさを感じている方も多いでしょう。
気質は病ではないので、
治療して治るものではありません。
つまり、HSPは
これからずっと付き合っていくもの。
生きづらさをこの先もずっと抱えて生きていくのか…
と、ガッカリしないでくださいね。
HSPの気質を持つ人は
この気質を持たない人よりも
優れている点が沢山あります。
HSPという気質を持っているからこそ
その敏感さや繊細さを活かすことが
できる場面があるんです。
HSPであるから…
と、生きづらさを感じて
自己肯定感が
低くなってしまっている方も居るでしょう。
が、落ち込み投げ出してしまう必要はありません。
HSPであるからこそ
という事柄もあるんです。
HSPというものを知ることで
自分に自信を持つことが出来るでしょう。