愛着障害とは‐愛着障害の原因‐
日々の生活の中で
なんとなく感じている『生きづらさ』
その原因として考えられるものの一つに
『愛着障害』
というものがあります。
愛着障害とは一体どのようなものなのか?
お伝えしていきます。
愛着スタイルとは?
愛着障害の症状に悩んで
生きづらさを感じている人は、
愛着スタイルに歪みがある
と言えます。
愛着スタイルとは、
人と接する時の距離感や
どの様にすれば自分に関心を向けてもらえるか、
自分が不快な思いをしない為にはどうすると良いか、
と言う様なこと。
愛着スタイルは大きく分けて
- 安定型
- 不安型
- 回避型
の3つに分けられます。
安定型と言うのは、
その名の通り
安定した愛着スタイルを
築けている人のことです。
不安型と回避型という
2つの愛着スタイルを持つ人は
日々の生活の中で
生きづらさを感じている
可能性があります。
安定した愛着スタイルを
築いて来るくることが出来なかった…
その理由は一体何なのでしょう?
心の結びつき
人は、幼い頃の人間関係の中で
愛着スタイルを築いていきます。
子供にとって
もっとも濃密に接するのは親ですよね。
つまり、
幼い頃の親との関係性で
愛着スタイルが決まってきます。
子供は、親が自分の要求に対して
どの様に反応してくれるか?
ということから愛着スタイルを築いていきます。
親とは、
本来子供にとって一番安心できる相手。
しかし、
親と言っても色んな人が居ますよね。
子供にとって一番安心できる相手
ではないこともあるのです。
愛着=心の結びつき
と考えられ、
親との心の結びつきが
上手く出来ないという体験が
愛着スタイルを
歪ませてしまうのです。
生きづらさ
生きづらさを感じている方は
愛着スタイルが歪んでしまっている
可能性があります。
常に相手の顔色が気になってしまったり
常に心に不安があったり、
人と親しい関係になるのが煩わしかったり
人との付き合いの中で
難しさを感じてしまっている方は
愛着スタイルに歪みがある
可能性があるのです。
安定した愛着スタイルを持つ人は
人間関係において
生きづらさや苦しみを感じることは
ありません。
人間関係の中で
自分を不必要に卑下して
自己肯定感を下げてしまうことで
苦しみを生み出す事も無いのです。
愛着障害の原因
愛着を脅かす大きな原因は2つあります。
1つは、愛着対象が居なくなる場合。
死別や離別がこれにあたります。
子供にとって親、
特に母親が居なくなるということは
とても大きな事件です。
子供にとって一番の愛着の対象が居なくなる
というのは、
世界が崩壊することと
同じだと言えます。
もう1つは、
本来守ってくれるはずの親から
虐待を受けていた場合。
自身の身の安全が保障されない
その様な環境に居ては、
正しい愛着スタイルを
築くことは出来ません。
親に愛してほしいと思う一方で
親が恐怖の対象となるこのパターン。
幼い子供の心の中では
複雑な想いが渦巻いている、と
想像が簡単に出来ますよね。
大人になって…
幼い頃に親との間で
正しい愛着関係が築けないと
大人になってからも
生きづらさとして苦しむことになります。
親に愛されなかった
という想いが
大人になっても消えること無く、
周囲の人たちに認められたい
という感情が強く前に出てしまい
過度に人に気に入られよう
と行動してしまう
と言うことが考えられます。
また、
人と密接な関係になることが
煩わしく感じて
必要以上に距離をつくってしまう
と言うことも。
不安定な愛着スタイルを持つ人は、
ストレスに対して弱い
という傾向もあります。
人間関係が上手く築けないことから
自分に対しての評価が下がり、
自己肯定感も低くなってしまう
と言うことも。
安全基地
安定した愛着スタイルを持つためには
安全基地を持つことが
大切になってきます。
幼い頃に
親との関係の中で
安定した愛着スタイルを
身に着けられなかった人でも、
大人になってから
愛着スタイルを安定型へと
変更させることが出来ます。
その際に重要になってくるのが
安全基地なのです。
幼い頃には
母親が子供の安全基地となることで
心の安心が得られ、
どんどんと外の世界へ
冒険に出かけることが出来ます。
しかし、
安全基地が確保されていないと
自身の身の安全が保障されず、
外へと意識を向けていくことが出来ません。
その結果、
知的興味や人間関係において
意欲が持てず
無関心になってしまったり
消極的になってしまったり
するのです。
親との愛着関係が正しく築けない
ということが
大人になっても
大きな影響を及ぼすのです。
生きづらさを感じている方の中には
自分が「愛着障害なのでは?」
と、感じた人も居るでしょう。
対人関係の面で大きな影響を及ぼす愛着スタイル。
自身の愛着スタイルを知り、
不安定な愛着スタイルを
安定した愛着スタイルへと
変えていくことが出来れば、
生きづらさを解消することができます。
人間関係における生きづらさは、
うつ病、社会不安障害、適応障害、
パニック障害などの
病名がつくこともあります。
その様な精神的な苦しみの元に
愛着スタイルの歪みがある、と
気付くことが出来れば
生きづらさからの回復に
繋げることが出来ますよ。